本間電機株式会社
取扱製品

高調波抑制装置

高調波とは…

交流電源の電圧波形は基本的には正弦波ですが、これに電気機器を接続した時に流れる電流は必ずしも正弦波とならず、歪んだ波形(ひずみ波)となることがあります。
ひずみ波は、基本周波数(50Hzまたは60Hz)と基本周波数の整数倍の周波数の波に分けられます。この整数倍の波のことを高調波といいます。
高調波によってできたひずみ波は、機器に障害を発生させる場合があります。

高調波による影響

機器から発生した高調波は、電線を伝わり,他の設備や機器に次のような影響を及ぼす場合があります。

電力使用機器
電障害の一例
コンデンサ・リアクトル 過大電流による過熱、焼損、振動、騒音
ヒューズ・ブレーカ 過大電流による溶断、誤作動
変圧器 過熱、騒音、鉄損・銅損の増大
誘導電動機 回転数の周期的変動、過熱、損失の増大
保護継電器 誤作動
電子・家電機器
障害の一例
家電機器 映像のちらつき、雑音の発生、誤作動、故障
蛍光灯・水銀灯 安定器・コンデンサの焼損、ちらつき
コンピュータ 誤作動、暴走、故障
電子機器 自動制御機械の誤作動

高調波を発生させる機器の例

種別
機器の例
OA機器 パソコン,複写機など
家電機器 AV機器,電子レンジなど
空調機器 インバータ空調機
照明機器 劇場,ホール,体育館などの水銀灯,ナトリウム灯,調光器
搬送設備 中・高層エレベータ
直流電源 伸線,圧延,ゴンドラ,リフト,直流電気鉄道
インバータ 輸転機,搬送機,工作機器
電気炉 アーク炉,高調波誘導炉
VVVF 上下水道ポンプ,清掃工場クレーン

当社では

  • 高調波発生の事前検討および高調波流出計算(可能であれば事前測定)
  • 具体的な対策方針の立案
  • 高調波抑制機器の納入(レンタル、販売ともに可)
  • 高調波抑制の効果測定、報告書作成

以上、高調波に関わる検討から対策、効果測定に至るまでを承ります。
また、ご要望により電力会社との受電事前協議にも同行し適切な対策のお手伝いをさせていただきます。

実際の高調波対策においては、高調波発生負荷の特性、受電環境など様々な要因を勘案して最適な高調波対策を提案させていただきます。以下具体的な対策について記します。

高調波抑制対策の例

当社では下記方法による高調波対策の実績があります。
高調波発生負荷の特性、受電環境など様々な要因を勘案して最適な高調波対策を提案させていただきます。

番号
抑制方法
内容
効果
系統上の設置位置
参考画像
1 変圧器の組合せによる多相化 12パルス効果により高調波電流を低減、12k±1の高調波次数が発生する(k:正の整数) 5次、7次を主に50~90%を低減(同一容量、同時 運転負荷のとき) 図中(1)を参照
2 高圧進相コンデンサ設備 高圧側に進相コンデンサと直列リアクトルを設置 5次、7次を主に3 ~10%を低減(電源インピーダンス、次数により変わる) 図中(2)を参照
3 低圧進相コンデンサ設備 低圧側に進相コンデンサと直列リアクトルを設置 5次、7次を主に20~40%を低減(次数により変わる) 図中(3)を参照
4 交流フィルタ(受動フィルタ) 5次、7次、11次の3種類のフィルタ(コンデンサとリアクトルの細み合わせ)で、高調波電流を吸収する 5次、7次、11次を70~90%を低減 図中(4)を参照
5 アクティブフィルタ(能動フィルタ) 高調波電流の逆位相の電流を流すことにより相殺する 25次以下に対して1台で対応できる。80~90%を低減 図中(5)を参照